幸せの翼

作:咲紀 さま

      
 
  「鈴!」
  清秀の声が聞こえた気がした。
  「清しゅ・・・」
  鈴は目覚めた。
  そこはいつもの女官が使う部屋。
  鈴は大きくため息をついた。
  
  ずっと「不幸せ」だと思っていた
  でもあなたにあって私は「不幸せ」じゃないことに
  気が付いた
  「あんた自分が怪我をしてるわけでもないのによく
  不幸せなんて言えるよな」
  反論さえもできなかった
  私は「幸せ」になろうと、何をしただろう
  何を努力しただろう 必死に生きるあなたは自分が「不幸せ」なんて言わなかった
  「―幸せを手に入れたいなら努力をする。
  努力をしないで入る幸せは薄くて脆い、偽物の幸せなんだ」
  それを教えてくれたのはあなただった
  あなたの一言一言は、私にとって幸せへと羽ばたける翼だった
  けれど・・・
  神様、なぜ人の命には終わりがあるの?
  でもそんなこと言っても、あなたが戻ってくるわけではない。そして・・・
  あなたがくれた幸せへの翼をつかい、私は幸せにたどり着いたのだから・・・
  
  「鈴?」
  女史の祥瓊が声を掛けた。
  鈴は一瞬なぜか驚いたが、すぐに微笑んだ。
  「・・・なんでもない・・・」
  そして空を見てつぶやいた。
  「もう泣かないよ、清秀」
      
           

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